糖尿病は慢性病ですが、安静や施設療養が必ずしも必要という病気ではありません。基本的に血糖コントロールが順調で、合併症に注意することで、結婚生活、出産も大丈夫です。結婚相手には糖尿病であることを話し、糖尿病の正しい理解と知識をパートナーと共有してください。
妊娠から出産期をスムーズに過ごすには、出産後まで気を抜かず血糖値をキープすることが大切です。
コントロールが悪く、合併症を放置したままの妊娠は「糖尿病性網膜症」の進行、「妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)」などの危険性がアップするだけでなく、新生児の奇形や、、難産のリスクが出てきます。
妊娠前には必ず合併症の有無や糖尿病の状態をチェックすることが必要です。状況が許せば、血糖値を正常レベルにまで治療してからの「計画妊娠」が望ましいです。
糖尿病の女性の妊娠におけるトラブル
・妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)
妊娠により、高血圧や尿タンパクなどが見られる状態。以前は「妊娠中毒症」と呼ばれていたが、妊娠よる高血圧が原因であることが判明したことからこの呼び方に。妊婦そのものの症状に加え、子宮内胎児死亡の原因にもなる「胎盤の早期剥離」が起きやすくなることに注意。予防法は、低塩分・低カロリー・高タンパクな食事を心がけ、塩分は1日10g以下に制限する。
・羊水過多症
羊水が減るべき状況にもかかわらず異常に多いままの状態がつづく。通常妊娠後半から臨月にかけて減るはずの羊水が多いままで推移する。母体の血糖が高い場合、起きやすくなり、治療としては早産予防のための安静入院が一般的。
・膀胱炎・腟炎・腎盂炎などの感染症
糖尿病患者が妊娠するとかかりやすくなるとされ、現実に糖尿病の妊婦で発症率が高まる傾向が。腎盂炎は、腎機能を悪化させる点、特に注意が必要。
糖尿病のかたの妊娠でも合併症がなく、妊娠中の血糖コントロールが適正に行われていれば、自然分娩も十分可能ですが、健康体の妊婦さんに比べて出産に伴うリスクは高くなります。なので、糖尿病の専門医や産後の対応が適切にできる新生児科医の居る病院、糖尿病患者の出産に多く立ち会った経験のある病院で出産するのが望ましいです。